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2021/07/21

【企業向け】役員を取り巻くリスク ~ 第三者訴訟・従業員からの訴訟編 ~

こんにちは!三井物産インシュアランスです!

前回記事にて株主代表訴訟について解説しましたが、今回は「第三者訴訟」「従業員からの訴訟」について解説していきます。
株主代表訴訟より認知度は下がりますが、同じくらい重要ですので、是非最後まで読んで頂ければと思います。


目次

1)第三者訴訟とは
2)第三者訴訟が発生する理由
3)従業員からの訴訟とは
4)従業員からの訴訟が発生する理由
5)まとめ


 

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1)第三者訴訟とは

役員の業務に起因して取引先・顧客などの第三者に損害を与えてしまった場合に、その第三者が起こす訴訟を第三者訴訟と呼びます。

役員の第三者への責任が認められる場合は、主に「悪意・重過失」があった場合か「任務懈怠」があった場合です。前者の「悪意・重過失」は当然あってはならないことですので、責任を負って然るべきです。
一方で、後者の「任務懈怠」が厄介で、会社法において「任務懈怠」は「任務を怠ったとき」としか書かれておらず、具体的な要件が曖昧です。従い、事案毎に任務(業務)を怠っていたかどうかを判断します。

よって、役員本人としては確り任務を行ったつもりで結果として損害を発生させてしまった場合でも、任務懈怠の定義が曖昧であるが故に第三者から任務懈怠だと追及され訴訟に発展する可能性があります。

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2)第三者訴訟が発生する理由

第三者訴訟は株主代表訴訟や従業員からの訴訟と異なり、取引先や顧客といった不特定多数からの訴訟であるため、どこからどんな火種で訴訟に発展するか分かりません。
事業を行う以上、商品の欠陥・情報漏洩など事業を行う上でリスクは多種多様に存在し、対策によってリスクを減らすことは出来ても全てを避けることは出来ません。
それら全てが役員の任務懈怠として捉えられる可能性を秘めております。原因だけで沢山あるにも関わらず、さらに訴訟を起こす主体が不特定多数となればリスク規模は言わずもがなです。

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3)従業員からの訴訟とは

会社は従業員からも多種多様な理由で訴えられる可能性があります。

昨今の日本では職場環境や働き方の改善が盛んであり、従業員が意見を発することが出来る環境になってきました。その影響で従業員からの訴訟事案も増えてきています。
なお、従業員からの訴訟は正確には第三者訴訟です。リスクが大きいので一項目として取り上げていますが、「従業員からの訴訟」が正式名称ではないことはお含み置き下さい。

 

4) 従業員からの訴訟が発生する理由

では実際にどんな理由で従業員から訴訟を起こされるのでしょうか。

まず一番に思い浮かびやすいのはセクハラ・パワハラでしょうか。セクハラ・パワハラは当然許されないことですが、その基準は曖昧であるため従来は訴訟まで行われるケースは少なかったかと思います。
日本においても働き方改革に代表される就労環境の改善が盛んになる中で従業員が声をあげることが出来るようになってきました。セクハラ・パワハラも声をあげることで責任追及が出来る世の中になってきたわけです。
不当解雇も同様です。何をもって不当なのかは曖昧ですが、認められる世の中になってきたからこそ訴訟件数も増え、不当解雇された側が勝訴するケースも増えてきています。

こうした世の中の風潮は決して悪いことではないはずですが、企業経営という観点からはリスクが増加していると言えます。

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5)まとめ

2回に渡って「株主代表訴訟」「第三者訴訟」「従業員からの訴訟」について簡単に解説してきました。
この分野は法律面が密接に絡むためややこしい分野ですが、本記事ではかなり平易に解説しましたので、少しでも身近に感じて頂けましたら幸いです。

今回は、訴訟事例や深掘りするまでには至りませんでしたが、より詳しく知りたいという方は弊社までご連絡頂ければと思います。

 

次回以降の記事では本リスクに対する対応策という面で「D&O保険(役員賠償責任保険)」と「雇用慣行賠償責任保険」について解説していきます。
聞きなじみのない保険だと思いますので、是非ご一読頂き、そういった対応策があるのだと知って頂けたらと思います。


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